法制審議会の民法・不動産登記法部会は、 2021年2月2日、「民法・不動産登記法(所有 者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」 を決定し、2月10日に法相に答申しました。 その中で注目されるのは「相続登記」や「氏名又 は名称及び住所の変更登記」の義務化です。 僕らのお客様でも山を相続した場合などは登記の変更 をしない方もいらっしゃいます。特に資産価値のない山 奥については登記の変更するだけ無駄で、道路があれ ばやむを得ずその一帯だけ変更登記をします。 固定資産税については、行政は所有者でなくても誰かが 払ってくれればいいというスタンスなので、払ってくれる人 を探しますが、不明の場合は手間を考慮して、所有者不明 として処理します。 なので税金を払うために登記する必要ないと考えてし まいますよね。そうすると、相続が重なると所有者が増 えて手がつけられなくなります。 なので登記することについてはすっきりしますので会計 事務所的にも賛成なのですが、問題は本当にできるの? です。 今回の答申のなかで、おおきなポイントは ①相続登記の義務化と罰則の制定 ②氏名又は名称及び住所の変更登記の義務化と罰則の制定 ③法務局による所有者情報取得の仕組みの制定 ④土地の所有権放棄の制度化の4つです。 今回すべての概要についてはふれませんが、④土地の所有権放 棄の制度化については大注目でしょう。これは相続等により土地を 取得した者がその所有権を放棄して土地を国庫へ帰属させること が可能となる制度を新設します。 対象となるのは 「建物がない」 「担保権等が付いていない」 「土壌汚染がない」 「境界について争いがない」 「管理又は処分にあたって過分の費用又は労力を要する土地でない」 等の条件を全て満たした土地に限られます。 また、申請時の手数料と、国が10年間管理するのに 必要となる標準的な費用(200の宅地で80万程度)を 申請者が負担する。さらに民法上の問題も併せて改正 となります。 民法上、所有者がたくさんいる土地の登記は大変です。 すべての所有者の確認が必要だからです。今回も「相 続開始から10年間遺産分割がまとまらなければ法定相 続とする」などとの答申がありましたが、すでに所有者が 複数いるケースの解決案はこれからです。 ここら辺は今後大着目していく所です。 今日のWriter: k.nakamura
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