お仕事柄、『会社はどのくらい手元資金があればいいで すか?』と聞かれることがあります。 腹の中では 『そりゃ兄さん、持てるだけ!』 と思ってますが当然、頭打ちというか限界はあると 思うので今日は僕が思うにこのくらいあればひとまず は大丈夫かなぁという目安をお伝えします。 ① 率から考える →→→ 当座比率 まずは率から考えてみたいと思います。貸借対照表 でも試算表でもいいですが当座比率を算定します。 当座比率は僕のバックナンバーでもこれでもかという くらい書いてますが 当座資産 ÷ 流動負債 × 100 =〇〇% で計算されます。 当座資産には ・ 現金預金 ・ 売上債権(受取手形、売掛金) などの現ナマそのものに回収の比較的早い売掛債権 を加算したものです。注意すべき点は回収不能で焦げ 付いたクズ債権は計算から除外してください。 反対に流動負債は ・ 買掛金 ・ 未払金 ・ 賞与引当金 等々、支払日が一年以内に到達する比較的早い 支払債務を合計したものです。ここでも注意すべき 点は長期借入金の中で一年以内に返済期限が到来 するものも加算してください。 さて計算してみましょう。 如何でしょうか。目安でいうと当座比率が ・ 200%以上 手元のお金&早期回収債権が支払債務の二倍 なので短期的には安心と思われます。 ・ 100%以上 200%未満 当座資産と支払債務が拮抗している状態で環境が 少し変わるだけで100%未満に転落します。 ・ 100%未満 率だけ見るといつ潰れてもおかしくない地獄の 自転車操業。圧倒的に手元資金が不足しています。 現在はコロナで融資が通りやすかった関係から当座 比率が高い企業が多い傾向です。勿論、将来的には 返さないといけない借金なので自己資本比率で計算 するとボロボロの会社も多いのですが今日のお話では 割愛します。 ② 量から考える →→→ 保有当座資産 次に量からアプローチしてみます。率だけの計算ですと 極端な話・・・ 当座資産 200 流動負債 100 で当座比率が200%になりますが、ここで 『月々の固定費 200』 という条件を追加すると、もし売上が少しでも ダウンした場合、あっという間に詰んでしまいます。 ※きれいな詰みですね ではどの程度、当座資産を持てば良いのかですが 僕の目安では・・・ 【半年間の固定費&返済金】以上の当座資産 を持てば一安心だと思います とお伝えしてます。 少し極端な話ですが【明日から売上が0】になった 場合でも固定費や返済金を0にすることはすぐには できません。 半年分の固定費&返済金を賄えるぐらいの当座 資産があれば裏を返せば 【明日から売上が0になっても】 【半年間は耐えられる】 ということになります(細かい話は抜きとして) 勿論、立ち直るのにかかる期間が短いほど保有して ほしい当座資産は少なくすみますが・・・ ③ まとめ 今日もまたダラダラと書いてしまいましたがまとめとして A 当座比率 200%以上 B 保有当座資産 > 半年間の固定費&返済金 の両方を満たすぐらいの会社だと手元キャッシュは かなり強固です。Aはやりくりひとつで割と達成でき やすいですがBを達成するのは難しいですよー。 少なくともしょうもない節税や趣味満載の設備投資 をしている間は無理でしょうね。 今日のwriter: y.hori バックナンバーはこちら