これまで二度に渡って 【本当は怖い会社の節税】シリーズをお話しました。 ・ 本当は怖い用無し設備投資 ・ 本当は怖い節税商品 今日のお話は上の二つより大分マシですがある意味、 会社の利益・資金に非常にインパクトを与える項目なので 注意が必要です。 ① 事例 今回の事例は ・ 社長1人だけの1人会社 ・ 年間売上1200万 ・ 給与・社会保険以外の経費は無し ・ 社会保険料は概算で30%(うち15%は個人から天引き) とします。ちょっと大雑把な事例ですが大まかな イメージを掴みやすくするためにこのようにしました。 さて、役員のお給料は毎月一定でないと税制上、不利に なります。従業員のように先月は30万、今月は50万という わけにはいきません(あくまで税制上、不利になるだけの お話で払うこと自体は可能です) ということで事前に毎月の給与を事前に設定するわけで すがここで 【会社で税金払うの嫌だから全額個人の給与や!節税や!】 と勢い余ってすると、とんでもないことになります。 ② まずは全額会社に残しておくと・・・ 現実的にありえない話ですが売上の1200万円を全額 会社に残し法人税を払うパターンです。 すると・・・
法人税で350万ほど支払うことになるので約850万留保できます。 1200万の売上に対して850万残せるので留保率は70%程度 になります。 現実には社長にも生活があって月々の生活費が必要な 訳ですからこのような割り振りは ・ 莫大な個人資産がある ・ 修行僧 ぐらいしか出来ませんが中小企業の場合、意外と法人税率が 低いことが覗えます。 ③ 全額個人の給与とすると・・・ 【法人税払うのヤダヤダー】 ャダ((o(;□;`)o))ャダ 【そうや!全額役員給与で取れば法人税ゼロやん】 ゜∀゜!! と、仮に全額給与としてブッ込んだ場合、ぶっ飛んだ 税額がぶっ刺さります
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まず社会保険の関係で1200万円を丸々給与で取ることは 不可能です。ここでは社会保険料率を概算で会社15%、 個人15%としているので精々1050万ぐらいです。(それでも 僕からすると十分、すごい数値ですが) すると個人側で社会保険・所得税・住民税が仲良く三位一体 でストーカーのようについてきます。 結局、会社ではお金をストックできず個人側で約680万の 留保。留保率は56%と先の事例に比べると著しく下がって いきます。 勘のいい人はここで 【ワシの給料の一部を親族に分配して所得税率下げればええやん!】 という人がいますが勤務実態のない方に会社から給与を払う のは論外です。 ④ 利益を出しつつ個人も給与をとる 会社で全額とれば生活できない、個人で全額とれば 右ストレートの高税率。ということで、現実には会社に 利益を残すレベルくらいの給与を取るということになり ます。 仮に限界利益に対する給与の割合を45%とすると・・・
会社側で社保・法人税で230万、個人側で社保・所得税・ 住民税で135万のトータル265万程徴収されますので 留保額は840万前後。留保率は70%となり全額会社に残す パターンとさほど変わらないこととなります。 以上のことから【法人税を節税したいために給与をガッツリ 設定する】というのは確かに法人税は圧縮できますが社保・ 所得税・住民税がキッチリと構えており税額全体で見ると 返って税金を多く払うことになります。 ・ 社会保険は税金じゃない ・ 厚生年金は将来返ってくる というお声も頂きそうですが年金は貰えるかどうかも 分からないですし、社保はどれだけ払おうが基本的に 受けるサービスは悲しいかな同じです。 ⑤ おまけ:全額個人で取った人の資金繰りは? ここからはおまけになりますが全額個人で取った場合、 会社には1円も残らない訳ですからタイミング次第で 資金ショートします。 事例のような自分の給与だけでしたら未払金にすれば いいだけの話ですが仕入や経費の支払いがあって残高 不足のため支払不能になると信用に関わります。 ではこのような会社がどうやって資金を回すのか。 それは一旦、個人で取った給料を今度は会社に貸し付けて 会社の資金繰りを回します(会社から見るといわゆる役員 借入金になります) なぜこのようなことをするのかは別の事情も出てくるので ここではお話しませんが、【法人税を節税したい】という 軽くて甘ーーーい誘惑が地獄の資金繰りのきっかけ にもなったりするので注意が必要です。 本日の記事はいかがだったでしょうか。 良ければFB の高評価を押していただければ中の人は非常に喜びます のでよろしくお願いします。
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